AIデータ活用コンソーシアム設立

一般社団法人 AIデータ活用コンソーシアムが発足しました。

一般社団法人AIデータ活用コンソーシアムを設立

AIの研究およびデータの利活用を行う教育機関、事業者 * は、AI研究の隆盛に伴い急速に高まりつつある大量かつ高品質のデータへのニーズに応えるため、より一層の配慮が求められる知的財産の取扱いポリシー、契約ガイドライン、および効率的なデータ流通・利活用の為のサービス基盤の実現およびサービス提供を行うコンソーシアムを設立し、2019年4月より活動を開始します。

 *発起人所属教育機関、事業者の構成(50音順):京都大学、ギリア株式会社、国立国語研究所、一般社団法人 日本電子出版協会、東京大学、東洋大学、豊橋技術科学大学、日本財団、一般社団法人
日本支援技術協会、日本マイクロソフト株式会社、株式会社ブリックス、株式会社ブロードバンドタワー、理化学研究所、株式会社Ridge-i

本コンソーシアムの会長には、長尾
真(元京都大学総長 / 元独立行政法人情報通信研究機構理事長 / 前国立国会図書館長 / 前国際高等研究所所長)が就任いたします。また、副会長には渡部 俊也(東京大学 政策ビジョン研究センター 教授)(知的財産・契約担当)、杉山 将(理化学研究所 革新知能統合研究センター センター長、東京大学
大学院新領域創成科学研究科 教授)(研究担当)、井佐原 均(豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター センター長・教授)(データ活用担当)、田丸 健三郎(日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 NTO)(データ基盤担当)が就任します。

 今日、AI(ディープラーニング・機械学習・統計的学習・統計解析など)の研究およびAIを用いたサービスの開発は世界中で熾烈な競争が繰り広げられ、各国ではこれまでにない極めて速い速度で研究が進んでいます。日本国内において、AIの研究と利活用を推進するためにはデータ、特に自然言語や画像などの日本固有のデータの重要性がより高まってきているにもかかわらず、データの共有・流通のプラットフォームがないことは大きな課題となっております。データの不足と分散・散逸による影響は研究者の知見が集約されないことによってAIの研究・開発を滞らせるだけでなく、AIを用いたオープンイノベーションひいては社会課題の解決における重大な障害となっております。このままでは他国のAI・データ流通先進国との差は大きく開く一方で、この分野における国際競争力維持の為に残された時間は決して多くありません。

 当コンソーシアムはこの問題に対して、研究者・教育機関・事業者が組織の垣根を越えて一丸となり、円滑にデータと利活用の知見を広く集約し、効率的に流通させるためのプラットフォームとコミュニティを構築することで、日本におけるAIの研究と活用をより一層加速させるべく、以下のような活動を進めてまいります。

  • データホルダー、AI研究者、AIソリューションベンダー協働の場を提供
  • AIによるオープンイノベーションを通じて社会課題の解決を促進
  • 日本固有の自然言語、画像をはじめとする開かれたデータの流通の場の提供
  • 円滑なデータ流通を実現するための知的財産、契約モデルの構築
  • 多様なデータ流通の為のクラウド基盤の構築、およびサービス提供
  • コンソーシアムが構築するデータ流通基盤を会員に提供
  • データ流通基盤の社会、企業における実装および活用の促進

コンソーシアムは会員に対しデータ共有、流通の為の基盤を構築、提供することにより、独自に基盤を構築するケースと比べ、大幅にデータの利活用にかかるコストを低減することが出来ます。

加えて、組織の垣根を越えて無償・有償で提供されるデータへのアクセスを容易にすることで、これまで困難であった複数のモダリティ(マルチモーダル)によるモデル構築を可能とし、実現します。

コンソーシアムが実装するデータ流通基盤は組織内のデータ共有基盤としても利用可能
(会員に無償ライセンス)

また、コミュニティの育成にも注力し、AI・データの利活用に携わる高度な人材による協働がより重要となる中で、ユーザー企業、AI研究者、およびAIスタートアップによるネットワーキング、マッチングの場を提供します。

このようにデータの利活用に携わる関係者が協力しあいながら課題を解決する場を提供し、データと知見・英知の円滑な流通を実現することで、様々な社会課題の解決に貢献します。

そして、国際競争力のあるAI研究への支援、AIスタートアップの育成など、国内の社会課題の解決と経済振興に貢献してまいります。


関係省庁などからの「AIデータ活用コンソーシアム設立」へのメッセージのご紹介

内閣官房 政府CIO上席補佐官/経済産業省 CIO補佐官 平本 健二様

豊かで柔軟性のある社会を実現するために、AIやビッグデータ解析は欠かせない技術になってきています。そうした中、Society 5.0やSDGsの実現に向けて、AI等でも活用する社会基盤データのオープン化、データ品質の向上等、データ環境の整備に取り組んでいるところです。多様な社会課題や技術に対応し、データ流通を円滑にしていくためには、関係者が力を合わせて取り組むことが重要です。AIに関するトップ人材、団体の皆様と一緒に取り組めることを非常に楽しみにしております。

文部科学省
研究振興局 参事官(情報担当) 原 克彦様

人工知能の研究や社会への実装に当たり、データが重要であることは論を俟ちません。アカデミアと産業界との協力により本コンソーシアムが設立され、データの共有や活用が進み、研究や人材育成、サービスの開発に貢献されることを期待しております。

文部科学省
科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 科学技術予測センター
動向分析基盤ユニット ユニットリーダー/上席研究官 林 和弘様

本コンソーシアムにおいて、ライセンス等の知財管理に包括的に取り組むことに大変注目しています。データ作成者や利用者が安心してデータを登録・利活用できる基盤を整備することによって、オープンサイエンス政策でも重要課題となっているデータ利活用のインセンティブをデータ作成者等の関係者に具体的に与えることになります。従って、本コンソーシアムの活動が、AIに関連する研究と社会実装を発展・加速することのみならず、より幅広い分野の研究データの共有と利活用を促す基盤のモデルづくりにも貢献し、将来的には研究データの共有や利活用を軸とする科学研究や評価の仕組み、ならびに産業展開等、新しいイノベーションシステムの創成にも寄与することを期待しています。

発起人:

研究・教育機関

  • 長尾 真
    元京都大学総長 / 元独立行政法人情報通信研究機構理事長 / 前国立国会図書館長
    / 前国際高等研究所所長
  • 坂村 健
    東洋大学情報連携学部INIAD学部長 / cHUB(学術実業連携機構)機構長
    / YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長 /公共交通オープンデータ協議会
    会長
  • 渡部 俊也
    東京大学 未来ビジョン研究センター 教授/副センター長
    工学系研究科技術経営戦略学専攻 教授(兼務)(学内手続中)
  • 杉山 将
    理化学研究所 革新知能統合研究センター センター長 /
    東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 (学内手続中)
  • 井佐原 均
    豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター センター長・教授
  • 前川 喜久雄
    国立国語研究所 音声言語研究領域 教授
  • 安岡 孝一
    京都大学 人文科学研究所 教授

団体

  • 石井 靖乃
    日本財団 ソーシャルイノベーション本部 公益事業部 部長
  • 小野 雄次郎
    一般社団法人 日本支援技術協会 代表理事
  • 下川 和男
    一般社団法人 日本電子出版協会 副会長 / イースト株式会社 代表取締役会長

企業

  • 藤原 洋
    株式会社ブロードバンドタワー 代表取締役 会長兼社長 CEO
  • 吉川 健-
    株式会社ブリックス 代表取締役社長
  • 田丸 健三郎
    日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 NTO
  • 柳原 尚史
    株式会社Ridge-i 代表取締役社長
  • ギリア株式会社

協働:

  • 公共交通オープンデータ協議会
  • 一般社団法人 日本支援技術協会
  • 一般社団法人 日本電子出版協会

協賛

  • Deep Learning Lab

オブザーバー:

  • 文部科学省
  • 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
  • (他省庁調整中)
上部へスクロール