かつて深層学習を用いたシステムの実装は限られた研究者の専門領域でした。しかし、現在ではアクセス可能な様々なデータを基盤とする生成AIが多くのサービス、システムで使用されています。一方で、ソースであるデータと生成されたデータの関係、オーナーシップが古くて新しい複雑な問題を提起しています。

 生成AIの登場により、データの来歴(プロベナンス)や権利関係は従来以上に不透明となり、学習データ、生成物、モデルそのものの権利帰属や利用範囲をどのように整理すべきか。また、セキュリティにおいても、攻撃に生成AIが積極的に活用されるなど、脅威の前提は大きく変わりつつあります。これまで主に「コード」や「人」を中心に考えられてきた脅威モデルは、生成AIの普及によって、「データ」や人ではない主体(non-human identities、AIエージェント)を含むものへと拡張されています。学習データの汚染、偽情報、偽情報による社会リスクなども大きな問題となっています。
 本シンポジウムでは、生成AIを取り巻く知的財産の構造がどのように変化しているのか、そしてデータそのものがどのようにセキュリティ上の脅威となり得るのかを、技術的背景と具体的な事例を交えながら解説します。

主催:一般社団法人 AIデータ活用コンソーシアム
日時:2026年6月5日(金)13:30 ~ 18:00
後援:一般社団法人 日本知財学会 / 一般社団法人 文字情報技術促進協議会
場所:東京ミッドタウン八重洲カンファレンス 5階イベントスペース

※終了後、会場前ラウンジスペースにてネットワーキングセッションを予定しています。

プログラム
13:30 ~ 14:10「創造者なき創造の時代― AIで揺らぐ知のオーナーシップとそこに潜むリスク」

講師
東京科学大学 副学長 渡部 俊也
14:10 ~ 14:50「生成AIでビジネスの何が変わるのか」

講師
元経済産業省 商務情報政策局長 西山 圭太
15:00 ~ 15:40「生成AI時代の新たなリスクに対応するセキュリティ」

講師
富士通株式会社 データ&セキュリティ研究所、所長 今井 悟史
15:40 ~ 16:10「生成AIと特許制度」

講師
TMI総合法律事務所 パートナー 阿部 豊隆
16:10 ~ 16:40「AI開発・活用に関する法規制の全体像」

講師
TMI総合法律事務所 アソシエイト(弁護士) 榊原 颯子
16:50 ~ 18:00

パネルディスカッション

司会

東京科学大学 副学長 渡部 俊也

パネラー

  • 元経済産業省 商務情報政策局長 西山 圭太
  • 富士通株式会社 データ&セキュリティ研究所 所長 今井 悟史
  • TMI総合法律事務所 パートナー 阿部 豊隆
  • TMI総合法律事務所 アソシエイト(弁護士) 榊原 颯子

東京科学大学副学長(知的財産・スタートアップ担当)を務める工学博士であり、日本における知的財産政策、イノベーション政策、スタートアップ・エコシステム研究の第一人者である。東京工業大学大学院無機材料工学専攻博士課程を修了後、東陶機器株式会社(現TOTO)に入社し、研究開発と事業推進に従事した。その後、東京大学先端科学技術研究センター客員教授を経て教授に就任し、東京大学執行役・副学長、産学協創推進本部長、未来ビジョン研究センター教授などを歴任した。
現在は東京科学大学において知財戦略、大学発スタートアップ育成を推進している。政府の知的財産戦略本部や経済安全保障関連の有識者会議でも中心的役割を担い、産学官連携や研究セキュリティ政策形成にも深く関与している。
日本知財学会会長も務め、知的財産とイノベーションを軸に、大学と社会を結ぶ実践的研究と政策提言を続けている。

通商産業省(現経済産業省)入省後、株式会社産業革新機構専務執行役員、経済産業省大臣官房審議官(経済産業政策局担当)、東京電力ホールディングス株式会社取締役・執行役、経済産業省商務情報政策局長を経て2020年7月退官。東京大学未来ビジョン研究センター客員教授。

東京大学法学部卒、オックスフォード大学(哲学・政治学・経済学コース)卒。

2004年富士通研究所へ入社以来、次世代ネットワークの研究開発に従事。2020年Uvance Core Technology本部にてブロックチェーンやWeb3技術を活用した商用サービス開発を担務。2023年にデータ&セキュリティ研究所所長に就任、2026年よりセキュリティサイエンス研究所所長として、偽情報対策やAIトラスト/セキュリティ、デジタルツインによるリスク分析などサイバーフィジカルの新領域セキュリティの研究開発に従事。博士(情報科学)、静岡大学客員教授。

国内外における特許出願権利化、ライセンスや特許売買等のトランザクションや侵害訴訟、包括的な知財戦略支援等に従事。1997年より国内大手特許法律事務所にて国内外の特許案件に携わった後、2004年、ワシントンDC地区のオリフ法律事務所にて米国特許実務に従事。2007年、米マイクロソフト本社知的財産部に転職。2011年、日本マイクロソフトの知的財産部長兼アジア地区特許ディレクターに就任し、ビジネスに即した知的財産活動を推進。2014年よりTMI総合法律事務所勤務。

16年九州大学法学部卒業、18年中央大学法科大学院修了、20年弁護士登録。データ利活用における個人情報保護法・各国データ保護法対応、情報セキュリティインシデント対応を中心としたデータ・プライバシー領域、M&A・ベンチャー企業支援などのコーポレート・ガバナンス領域、システム/アプリ開発・AIを中心としたIT法務・紛争を主に取扱う。

著書に『Cookieポリシー作成のポイント』(共著、中央経済社、2024年)、『データ利活用のビジネスと法務』(共著、中央経済社、2024年)、 『個人情報管理ハンドブック〔第5版〕』(共著、商事法務、2023年)など。

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